2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療患者の血中癌特異的DNA/RNAの経時的定量による治療感受性の早期判定
Project/Area Number |
15790678
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大村 素子 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助手 (70244506)
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Keywords | 癌 / 放射線治療 / 核酸 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
本研究では、放射線治療期間中、経時的に、患者の血中癌特異的DNA/RNAを定量し、これらを治療前後のFDG-PETを含む画像評価、臨床的評価と比較する。このことにより、血中癌特異的DNA/RNA量の測定が、腫瘍の放射線感受性を治療開始早期あるいは治療中より予測する新たな判定法となり得るか、を調べることを目的とする。平成16年度は、当大学附属病院放射線科で根治的放射線治療を受けた患者さん6名より同意を頂き、15年度と併せて15名の患者さんから、放射線治療期間中に平均週1回、1人あたり6-11検体を得た。全例において治療前後のPET検査を施行し、外来にて経過観察中である。血漿RNA/DNAの抽出:正常ボランティアの血液を用いて、血漿中のDNA/RNA抽出法の最適化を行った。各種方法を比較し、ミニカラムを用いる方法が最も簡便であった。抽出したRNAからは逆転写反応を用いてcDNAを作成した。リアルタイムPCR法の最適化:癌患者は正常群に比べ、血漿中のDNAが多く、とくに400bp以上の長いDNA断片が多いことが報告された。また腫瘍細胞のミトコンドリア由来DNAは、正常細胞に比べ、含有量が多いことから、血漿中ミトコンドリアDNAも正常人に比べ、癌患者で高いことが予想される。さらにこれらの癌細胞由来DNAの絶対量は放射線治療中の腫瘍の崩壊とともに減少する可能性が高い。そこで、b-actin DNA (100bpと400bp)およびミトコンドリアDNAに対するリアルタイムPCRの条件を最適化した。一方、各遺伝子発現(mRNA)の測定には検体中のコントロール遺伝子発現(β-actin)との比較を行うことが必須である。そこでβ-actin RNAのリアルタイムPCRの条件を最適化した。これらの血漿中DNA/RNAについて、患者検体を解析中である。これまでの結果では、これらの血漿中DNA/RNA量が、癌患者では正常人に比較して高い傾向にあること、放射線治療を開始すると、これらの量が一時的に上昇したのち、低下傾向になることを確認している。癌特異的RNAに関しては、CEA, SCC等の既知の腫瘍マーカー、および文献で報告されている癌特異的遺伝子計6種類について、解析を開始した。しかしながら、いずれの癌特異的遺伝子も発現が低く、現時点では増幅、定量には至っていない。RNA抽出のための血液量の不足が原因と考えられた。この15例について、引き続き解析をすすめ、PET所見および予後との比較を行っている。
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