2003 Fiscal Year Annual Research Report
放射線による抗腫瘍効果に及ぼすp53依存性血管内皮増殖因子VEGFの影響
Project/Area Number |
15790692
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Research Institution | The Wakasa Wan Energy Research Center |
Principal Investigator |
畑下 昌範 財団法人若狭湾エネルギー研究センター, 研究部, 主査 (40359237)
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Keywords | 放射線 / p53 / VEGF / 血管新生 |
Research Abstract |
以前から血管新生の放射線治療効果への関与が指摘されている。最近、血管新生を制御する重要な因子の一つとして血管内皮増殖因子VEGFが見出された。また、培養細胞系においてトランジェントに変異型p53遺伝子を導入した場合、VEGFの発現誘導が認められた。本研究はこれらのことを踏まえた形でp53遺伝子型のみが異なる培養ヒトがん細胞を用いて、放射線照射後の血管内皮増殖因子VEGFを含む血管新生制御因子の誘導動態について検討した。 細胞株にはp53遺伝子欠損ヒト肺がん由来細胞(H1299)にneo遺伝子のみを含むコントロールベクターを導入したH1299/neo細胞株、野生型p53遺伝子発現ベクターを導入したH1299/wtp53細胞株および変異型p53遺伝子(Trp248)発現ベクターを導入したH1299/mp53細胞株を用いた。5GyのX線を照射した。血管新生制御因子の転写誘導の解析としては血管新生促進因子であるVEGFおよび血管新生抑制因子であるthrombospondin-1(TSP-1)の放射線照射後の転写誘導をRT-PCR法により解析した。血管新生制御因子の蓄積誘導の解析としては血管新生促進因子であるVEGF及び血管新生抑制因子であるTSP-1の放射線照射後の蓄積誘導をWestern Blot法により解析した。 変異型p53遺伝子を導入した細胞と野生型p53遺伝子を導入した細胞との間では放射線照射後の血管新生促進因子および血管新生抑制因子の転写誘導および蓄積誘導に有意な差が認められ、放射線照射後の血管新生においてp53依存的な制御が存在することが示唆された。
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