2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790704
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
田島 厳吾 帝京大学, 医学部, 助手 (80276435)
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Keywords | 頸部リンパ節郭清 / 99mTc-MIBI / 低侵襲性手術 |
Research Abstract |
これまでに、原発性甲状腺分化癌2例と再発性甲状腺分化癌2例に対して、十分なインフォームドコンセントを得た後に、本研究の手術を施行した。手術直前に99mTc-MIBIを600MBq静脈内投与し、甲状腺癌に対する根治切除とリンパ節郭清を行った。手術中および郭清摘出後のリンパ節の99mTc-MIBI量をガンマプローベを用いて正確に測定した。摘出されたリンパ節の個数は、1〜4例目で、各々17個、21個、12個、2個であった。これらのリンパ節にて測定された99mTc-MIBI量と、それらリンパ節における病理組織学的所見ならびに術前の画像検査所見等を比較検討したところ、癌の転移が陽性のリンパ節では、転移陰性リンパ節に比較して明らかに99mTc-MIBIのカウント数が大きかった。本研究の手術を施行した全例において術後経過は良好であり、手術後数日で退院となった。 この初期経験については、第36回甲状腺外科研究会(平成15年10月30〜31日、京都市)において結果発表を行った。 現在さらに症例数を蓄積中であり、今後データを重ねることで、目的とする根治性と機能を維持した合理的な低侵襲性手術である99mTc-MIBIガイド下超選択的リンパ節郭清を開発できることが期待される。また、本研究の手技は、通常の甲状腺癌切除手術においては、郭清を必要とするリンパ節の取り残しが無いことを手術中に確認することへの応用が可能になるものと期待される。
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