2004 Fiscal Year Annual Research Report
BRCA1およびBARD1の自己ユビキチン化の生物学的役割
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15790707
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
川本 久紀 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60308426)
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Keywords | BRCA1 / BARD1 / 自己ユビキチン化 / ユビキチンリガーゼ / 家族性乳癌 / 質量分析計 |
Research Abstract |
乳癌抑制遺伝子産物であるBRCA1とこれに結合するBARD1はRINGヘテロダイマー型ユビキチンリガーゼを形成し、基質をポリユビキチン化するとともにBRCA1およびBARD1自信をも自己ユビキチン化する。その機能を検討するために研究者らはまず、BRCA1の自己ユビキチン化部位の同定を試みた。C末端側を切断した数種類のmyc-tag付きのBRCA1ヒト細胞内発現プラスミドを作成し、BARD1,HA-ubiquitinとともに293T細胞に一過性発現させ、in vivoのBRCA1の自己ユビキチン化を解析した。その結果、N末端222アミノ酸でもBRCA1の自己ユビキチン化が生じ、この中にユビキチン化部位が存在することが明らかとなった。さらに、Lys残基をArg残基に変異させたBRCA1(N222)の変異体を、この部位に存在する17カ所全てのLys残基に対して作成し、自己ユビキチン化が阻害されるか否かを解析したが、自己ユビキチン化が阻害される変異体を得ることはできなかった。このことから、特定のLys残基がユビキチン化されるのではなく、N末端側の複数のLys残基がユビキチン化されることが考えられた。そこで、in vivoで自己ユビキチン化したBRCA1を免疫沈降してトリプシンにて消化し、質量分析計(LC/MS/MS)にてユビキチン化部位の断片の同定を試みたが、特定のLys残基がユビキチン化されているという結果は得られなかった。もう一つの研究としてBRCA1-BARD1ユビキチンリガーゼとE2との特異性についての解析を行った。UbcH5c, UbcH7の間で配列の異なるいくつかの活性に重要と考えられる部分の変異体を作成し、酵素活性を解析するとともに、ワシントン大学のKlevit博士らとの共同研究として結晶構造解析を行った結果、UbcH5のN末端の5-15番目のアミノ酸がBRCA1との特異性を決定する上で重要な役割を果たしていることがわかった。
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