2003 Fiscal Year Annual Research Report
大腸炎における下痢の病態の解明―大腸上皮の水分電解質輸送能異常―
Project/Area Number |
15790709
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 賢一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80359520)
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Keywords | 11β-HSD2 / ulcerative colitis / Crohn's disease / ENaC |
Research Abstract |
1)ラットにおける大腸炎作製のためのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)の投与条件(濃度,および投与期間)の設定を行う目的で,予備的検討としてマウスにおける大腸炎モデルの作製の条件設定を行った。3%DSSの自由飲水による9日〜10日間連続経口投与により,遠位大腸を中心にびまん性のびらん,出血を呈する大腸炎を作製可能であった。病理組織学的に陰窩腫瘍の形成,粘膜固有層への著明な炎症性細胞浸潤などの大腸炎の所見を確認した。 2)ラットにおけるアミロライド盛受性Naチャネル(ENaC)α,β,γ各サブユニットの蛋白発現を免疫染色にて検討するために,ラット正常大腸,腎組織を用いて,抗体希釈倍率,抗原賦活化等の条件設定を行った。 3)ラットでの検討に先立ち,ヒト大腸粘膜から遊離した粘膜上皮細胞より抽出したRNAを用い,定量的RT-PCR法にて,水分電解質吸収に関わる諸分子のmRNA発現の検討を行った。正常対照28例,潰瘍性大腸炎27例,Crohn病24例の手術摘出標本から抽出されたRNAを用いて,mineralocorticoid receptor,glucocorticoid receptor,11β-HSD2,prostasin,ENaCα,β,γ各サブユニットの各分子およびhouse keeping geneとしてβ-actin,GAPDHのmRNA発現の検討を行った。平成16年度には,臨床的な各種パラメーター(病気の活動性などの)との関わりを含め,解析を行う予定である。
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