2004 Fiscal Year Annual Research Report
大腸炎における下痢の病態の解明-大腸上皮の水分電解質輸送能異常-
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15790709
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 賢一 東北大学, 病院, 助手 (80359520)
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Keywords | 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 2 / epithelial Na channel / ulcerative colitis / T84 |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎の大腸粘膜上皮細胞におけるNa輸送能低下が、11β-hydroxysteroid dehydrogenase type2(11β-HSD2)発現(および活性)の減弱により引き起こされているかどうか検討するため、11β-HSD2およびmineralocorticoid receptorを強く発現するヒト大腸癌細胞株T84を、11β-HSD2阻害剤であるグリチルレチン酸(GE)の存在下に培養し、ENaCα、β、γ各subunitの発現の変化を検討した。 (1)各subunitのmRNA発現をreal time RT-PCR法により検討した。GEはヒト血清濃度と同レベルのcortisol存在下で、ENaCγのmRNA発現を用量依存性に最大約6倍程度まで誘導したが(p<0.05)、ENaCα、βsubunitの誘導効果は確認できなかった。 (2)抗ENaCα、β、γ抗体を用いた免疫組織化学により、各分子の蛋白発現を検討した。cortisol存在下で、GEを培養液に添加することによりENaCγ蛋白を高発現する細胞数が増加した。ENaCα、βsubunitの発現に明らかな変化は認められなかった。 以上の結果より11β-HSD2発現の減弱により、大腸粘膜上皮細胞でのNa輸送能が逆に亢進する可能性が示唆された。潰瘍性大腸炎において認められる11β-HSD2発現の減弱は、低下したNa輸送能を回復させようとする合目的的な反応である可能性が考えられる。
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