2003 Fiscal Year Annual Research Report
Laminin-5とCox-2の発現による大腸sm癌の内視鏡治療の適応限界の評価
Project/Area Number |
15790725
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青木 成史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50296589)
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Keywords | 大腸癌 / laminin-5 / cox-2 |
Research Abstract |
早期大腸癌におけるlaminin-5 gamma 2 chain (LN5g2)およびcyclooxygenase-2 (cox-2)の発現を検討し、内視鏡治療のみで根治となる症例とさらに外科的追加切除を必要とする症例を選別することを目的として研究を行った。1996年から2002年に当院で内視鏡的に切除され、その後外科的に追加切除された大腸sm癌52例のホルマリン固定パラフィン包埋標本を免疫組織化学的に検討した.進行癌同様早期大腸癌でもLN5g2およびcox-2は腫瘍の浸潤最深部の間質と接する癌細胞の細胞質に発現していた.LN5g2強発現例は23例、cox-2強発現例は18例、LN5g2・cox-2強発現例は8例であった.LN5g2強発現およびcox-2強発現と臨床病理学的因子のなかでLN5g2強発現およびcox-2強発現と有意に相関したものはなかった.再発は2例に認め、いずれもLN5g2・cox-2強発現例であった.追加切除された大腸に残存腫瘍を認めなかった症例は29例であり、この中でLN5g2強発現例は6例、cox-2強発現例は15例、LN5g2・cox-2強発現例は2例であった.すなわちLN5g2およびcox-2の低発現例では内視鏡治療のみで根治となる症例が有意に多かった.内視鏡的切除標本におけるLN5g2およびcox-2の発現を検討することは外科的切除を考慮する際の重要な因子となりうると考えられた.
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