2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト大腸癌組織における8―ヒドロキシグアニン値とその修復酵素活性の解析
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15790739
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
鶴留 洋輔 産業医科大学, 医学部, 助手 (30352305)
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Keywords | 活性酸素 / 酸化的ストレス / 酸化的DNA損傷 / 8-ヒドロキシグアニン(8-OH-Gua) / 加齢 / 大腸癌 / 発癌 / DNA修復 |
Research Abstract |
活性酸素は様々な疾患の発症に関与しており、中でも代表的な酸化的DNA損傷の一つである8-ヒドロキシグアニン(8-OH-Gua)は発癌に関与すると考えられ、酸化的損傷のマーカーの一つとして重要な役割を担っている。これまでに我々は、加齢による大腸発癌における酸化的DNA損傷の関与をヒト大腸粘膜組織中8-OH-Gua値の測定を用いて解析してきた。そこで今回我々は、大腸発癌因子として胆汁酸や脂肪酸といった内因的酸化的ストレスに注目した。即ち、当教室での大腸癌手術症例の大腸切除標本を用いて、癌組織及び正常組織中の8-OH-Gua値とその修復酵素活性の測定をおこなった。大腸癌切除標本における8-OH-Gua値(5症例)は、癌部(0.251±0.203/105dG)では非癌部(0.206±0.027/105dG)に比べ軽度上昇傾向を認め(p=0.6187)、8-OH-Gha修復酵素活性(9症例)は癌部(19.69±10.76%)では非癌部(11.59±3.87%)に比べ有意に高値であった(p=0.0112)。 以上の結果からヒト大腸癌切除標本中の8-OH-Gua値は癌部・非癌部において有意差を認めなかったが、8-OH-Gua修復酵素活性は癌部において非癌部に比べて有意に高値であり、大腸発癌には酸化的DNA損傷が重要な役割を担っているものと推測された。今後更に症例を蓄積し、OGG1のmRNA発現観察及びmRNAの半定量、抗OGG1抗体等を用いたOGG1蛋白発現の解析、抗8-OH-Gua抗体・抗OGG1抗体を用いた免疫組織染色等による検討、また大腸癌の組織型・進行度・生存率等による統計解析にて、大腸発癌における酸化的DNA損傷の関与、酸化的DNA損傷と悪性度や予後との関連性などを解析していく予定である。
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