2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790741
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
赤坂 純逸 東北大学, 病院, 助手 (80343044)
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Keywords | 冠動脈バイパス術 / 低侵襲治療 / OPCAB / 自動吻合器 / 冠動脈遠位吻合 |
Research Abstract |
多くの外科領域で手術術式の低侵襲化の試みがなされ、心臓外科領域においても低侵襲手術が試みられている。冠状動脈バイパス術では様々なデバイスの開発・使用により人工心肺を用いず、心拍動下に冠状動脈遠位吻合を行うOPCAB(Off-pump coronary artery bypass)が一般的に行われている。本研究の目的は、冠状動脈バイパス術遠位吻合部の、より簡単で確実な自動吻合器を作製することにより、手術時間の短縮及び手術のクオリティーの向上を目的としたものである。本研究により開発されたデバイスが臨床応用された場合、冠状動脈バイパス術手技の更なる低侵襲化が可能となり、同手術での合併症の低下、術後状態の改善が期待され、医療経済的にも大いに意義があると考えられる。そこで、平成15年度に冠状動脈遠位部自動吻合器を考案、設計し、デバイスの試作を行った。本年度は、昨年試作したデバイスを用いて、実際に血管吻合の実験を行った。本研究で試作したデバイスを用いて、屠殺豚の大動脈に屠殺豚の頚動脈を端側吻合し、水漏れ耐圧試験を行った。本実験を繰り返した結果、再検討が必要なデバイスの欠点がいくつか明らかとなった。第一にデバイスの血管固定用ピンの接合が脆弱であることと、血管固定用ピン先端の切れが悪いために血管壁への刺入が困難であった。第二に血管壁を血管固定用ピンに刺入する時に用いるデバイスも同時に開発する必要があると考えられ、この設計を行った。以上の問題点を検討し、平成17年度はデバイスをさらに改良する予定である。
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