2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790766
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高木 康志 京都大学, 医学研究科, 助手 (40312227)
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Keywords | 霊長類ES細胞 / 神経幹細胞 / 脳梗塞モデル |
Research Abstract |
1.霊長類ES細胞由来神経幹細胞の作成 カニクイサルES細胞をSTO細胞の上で維持し、PA6細胞上で2週間培養し分化させた。未成熟神経細胞のマーカーであるNCAMおよびMusashi-1はそれぞれ(NCAM=97.5±4.6%,Musashi-1=90.4±7.5%)のコロニーで陽性となつた。これらの細胞を浮遊させてFGF2およびEGF存在下で培養し維持することができた。さらにこのようにして培養したneurosphereをornithin-lamininでコートしたスライド上BDNF、NT-3存在下で分化させた。神経細胞のマーカーであるTuJ1は52.8±16.0%/DAPIで、Map2abは38.3±7.5%/DAPIで陽性、グリア細胞のマーカーであるGFAPは28.6±17.6%/DAPIで、オリゴデンドロサイトのマーカーであるGalCは0.6±0.4%/DAPIの陽性率であった。また神経細胞における神経伝達物質の発現はGABA28.6±10.7%/TuJ1、ChAT43.0±20.0%/TuJ1、TH7.1±5.3%/TuJ1、serotonin3.3±1.7%/TuJ1、そしてglutamate14.3±5.3%/TuJ1となっていた。2.ES細胞由来神経幹細胞のマウス脳梗塞モデルへの移植 マウスES細胞より上記の方法と同様にして神経幹細胞より成るneurosphereを作成した。このneuroshereをマウス中大脳動脈モデルの外側線状体へ移植した。移植後2-4週間で移植細胞の生着を検討した。移植後2週間では、移植細胞は18.8±2.5%の面積に生着し、移植後4週間では26.5±4.0%の面積に生着していた。更に神経幹細胞の分化と神経伝達物質の発現を検討した。NeuNは60±10%、TuJ1は40±10%、GFAPは22±7.2%、GalCは0.38±5.3%で発現していた。また、GADは33.3±11.5%、glutamateは13.3±5.8%、ChaTは0.4±0.2%で発現していた。今後、行動解析およびサルES細胞を使った解析を行う。
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