2003 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激に対するパーキンソン病者の姿勢制御の重症度分類に関する研究
Project/Area Number |
15790777
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
田口 孝行 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助手 (20305428)
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Keywords | パーキンソン病 / 外乱刺激 / 姿勢反射障害 / 重症度分類 / co-activation |
Research Abstract |
目的:本研究では外乱刺激に対するパーキンソン病者(PD)の立位姿勢保持の特徴について、重心動揺と下肢筋活動の面から検討することを目的とした。 方法:被験者は女性PDと女性健常者(健常者)各9名とした。被験者には本研究の趣旨を説明し同意を得た。PDの重症度はHoehn-Yahrの重症度分類でstage Iが2名、IIが4名、IIIが3名であった。被験者にダイナミック平衡機能検査装置EGUITESTのプラットフォーム(PF)上で開眼立位を保持させ、PFを移動距離3cm、移動時間300msの設定で前方または後方へ水平移動させた。PF移動は前方と後方移動を組合わせて10回連続で2セット施行した。あらかじめ被験者の右前脛骨筋(TA)と右腓腹筋外側(GAS)の筋腹に表面筋電用皿電極を貼り付けた。 分析方法:PFから導出された4つの垂直分力からPF移動中300msと移動後500msのRMSを算出し、重心動揺量の指標とした。また、TAとGASの筋電図(EMG)もPF移動中300msと移動後500msにおいて測定し、積分筋電図(%IEMG)を算出した。 結果と考察:外乱刺激に対するPDの重心動揺は、stage IとIIでは健常者よりも大きく、重心動揺の側面から姿勢反射障害が疾患の進行初期においても出現していることを明らかにした。また、co-activationの出現時間の重症度による差異や、TAのEMG活動がstage Iでは持続的活動として出現し、stage IIの一部およびIIIでは減少または消失していたことから、重症度による姿勢反射障害の相違を筋電図学的側面から明らかにした。さらに、繰り返し外乱刺激により刺激後の重心動揺量は減少したが、刺激中は変化しなかったことやTAとGASのEMG活動様式も変化しなかったことから、ストラテジーとしての運動技能は変化しても中枢より下位の脊髄上位レベルにおける順応性は減弱または欠如していることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)