2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部腫瘍における新しい光感受性物質を用いた光線力学療法の有用性に関する研究
Project/Area Number |
15790792
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
国定 俊之 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80346428)
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Keywords | 光線力学療法 / 滑膜肉腫 / 軟骨肉腫 |
Research Abstract |
骨軟部悪性腫瘍に対する光感受性物質 ATX-S10Na(II)を用いた光線力学療法の効果 1.滑膜肉腫細胞株(SYO-1),軟骨肉腫細胞株(OUMS-27)に対する光線力学療法の効果の検討 (1)ATX-S10Na(II)の腫瘍細胞への取り込みの有無 ATX-S10Na(II)は,SYO-1細胞およびOUMS-27細胞ともに腫瘍細胞の細胞質に取り込まれた。染色により,細胞小器官(ライソゾーム)に取り込まれることを確認した。 (2)光線力学療法施行による腫瘍細胞の形態学的変化 ATX-S10Na(II)暴露後,レーザー照射した群とレーザー照射を行わなかった群およびATX-S10Na(II)非暴露群で細胞の形態を観察した。SYO-1細胞およびOUMS-27細胞ともにATX-S10Na(II)暴露後,レーザーを照射した群のみに細胞形態の変化および,細胞密度の低下を認め,光線力学療法により細胞に殺細胞効果が生じていることが示唆された。 (3)光線力学療法の殺細胞効果 ATX-S10Na(II)の暴露濃度の変化,レーザーの強度の違いにより殺細胞効果の変化があるかをMTT assayを行い検討した。SYO-1細胞およびOUMS-27細胞ともにATX-S10Na(II)濃度,レーザー強度と殺細胞効果に正の相関を認めた。 2.ヌードマウス皮下移植腫瘍(滑膜肉腫細胞株(SYO-1),軟骨肉腫細胞株(OUMS-27))に対する光線力学療法の効果の検討 皮下に腫瘍を移植したヌードマウスにATX-S10Na(II)を投与し,レーザーを照射した。SYO-1細胞およびOUMS-27細胞ともに光線力学療法による腫瘍縮小効果を認めた。今後、定量的な検討、組織学的検討を行っていく予定である。
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