2003 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性骨肉腫細胞株の作成と薬剤選択および投与方法による耐性克服の研究
Project/Area Number |
15790796
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
村田 博昭 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (90360031)
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Keywords | 骨肉腫 / 多剤耐性 / 化学療法 |
Research Abstract |
1.マウス骨肉腫細胞株に限界希釈法で少量のシスプラチンを投与し続けた。その結果マウス骨肉腫細胞株に対して約3倍の耐性細胞株を作成することができた。マウス骨肉腫細胞株の細胞周期は約24時間に対し、耐性細胞株は約2倍生じていた。また、この耐性細胞株に対して持続暴露を中止して培養液のみを交換し細胞培養を継続したが、細胞形態に大きな変化はなく細胞倍加時間も変わらなかった。シスプラチンに関しては不可逆性の耐性変化である可能性が示唆された。現在シスプラチン耐性細胞株のマウスへの移植を行い生着を確認している。 2.マウス骨肉腫細胞株に第3世代のビスホスフォネート製剤(インカドロネート、ミノドロネート)を投与しin vitroでの腫瘍増殖抑制効果を検討した。48時間持続投与での各々のIC50値は約2μM、0.6μMであり両薬剤とも単独使用での腫瘍抑制効果が得られた。これらの値は現在まで報告されている様々な癌より低濃度であり、in vivoでの効果が期待できると考えた。ミノドロネートはインカドロネートと比較して骨吸収抑制が強いと報告されているが、腫瘍抑制効果としては1μM以上の濃度では前者の方が有意に強かった(p<0.01)。'48、72時間投与ならびに濃度の違いによる細胞増殖変化と細胞の形態を組織学的に(HE染色、ギムザ染色)確認した。結果としては摂食時間が長く、濃度が高くなるにつれ細胞増殖速度は遅くなっていた。また、核の凝集や断片化が生じておりアポトーシスを生じている可能性を示した。
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