2003 Fiscal Year Annual Research Report
一過性全脳虚血後の脳微小循環反応に対するNMDA受容体遮断薬の影響
Project/Area Number |
15790812
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長瀬 清 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90345786)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / 脳微小循環 / NMDA受容体 |
Research Abstract |
グルタミン酸受容体作動薬が脳微小循環に及ぼす影響を検討した。検討に先立ち、グルタミン遮断薬と吸入麻酔薬との脳微小循環への相互作用が、本研究に影響をもたらすことが考えられ、イソフルレン、セボフルレンとケタミンとの相互作用を調査した。 ペントバルビタール麻酔下にて、兎2kgオスを気管挿管後人工呼吸し、側頭骨に頭窓を作成した。続き、生体顕微鏡を用いて脳軟膜上動脈を観察し、血管径を測定した。対照として、イソフルレンもしくはセボフルレンによる脳血管拡張反応を観察し、引き続いてケタミン持続投与後のイソフルレンもしくはセボフルレンの血管拡張反応を調査した。本研究では、ケタミンはイソフルレンの血管拡張作用を抑制したが、セボフルレンの血管拡張作用には影響を与えないことが分かった。これらの吸入麻酔薬は同等の脳循環への影響を持つと考えられていたために、両者の差異を検討する必要が生じた。 一方、同様の白色家兎をもちいてネックターニケット法で全脳虚血モデルを作成した。虚血時間は6分で頭窓法により完全脳虚血状態に陥っており、モデルの信頼性が確認された。その後、二酸化炭素に対する血管拡張応答を観察すると、完全に消失しており、本モデルが過去の研究に照らし合わせ、全脳虚血モデルとして妥当性も備えることが判明した。 次年度では、白色家兎のネックターニケット法による全脳虚血モデルにおける各種の脳保護が期待されているNMDA薬の生体内における脳微小循環への検討が可能となった。
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