2004 Fiscal Year Annual Research Report
摘出微小血管を用いた空気塞栓モデルによる血管内ガス、血管壁間の接着力の検討
Project/Area Number |
15790813
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 明 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助手 (30322142)
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Keywords | 空気塞栓 |
Research Abstract |
昨年度作成した空気塞栓モデルを用い、血管内灌流液を変更したモデル、血管壁を損傷したモデルを新たに作成し、血管壁と気泡の間の単位面積あたりの接着力への影響を測定した。 1.血管内灌流液の接着力への影響の検討 (1)アルブミン添加 5%ウシ血清アルブミンを添加し10分間気泡を血管内に留置すると接着力は349±149dyne/cm^2とクレブス液と比較し有意に上昇した。 (2)ラット血清 ラット血清を血管内灌流液として用いると接着力は5分間血管内気泡留置、71±29dyne/cm^2、10分間血管内気泡留置、153±57dyne/cm^2、20分間血管内気泡留置、100±55dyne/cm^2、30分間血管内気泡留置、80±48dyne/cm^2とクレブス液と比較し変化がなかった。 2.血管内皮損傷の接着力への影響の検討 血管内皮を損傷した後ラット血清を灌流液として接着力を測定すると、5分間血管内気泡留置、62±9dyne/cm^2、10分間血管内気泡留置、60±14dyne/cm^2、20分間血管内気泡留置、56±8dyne/cm^2、30分間血管内気泡留置、60±13dyne/cm^2と10分間留置した場合に内皮を損傷していない群と比較し有意な低下を認めた。 3.アルブミンと内皮損傷の相互作用 5%ウシ血清アルブミンを血管内灌流液とし10分間の気泡留置で内皮損傷群は内皮温存群と同様に接着力が増大し、322±101dyne/cm^2と著しい増加を示した。この結果は内皮損傷状態では接着力は低下するが、アルブミンの存在はその低下を何らかの機序で補うということを示している。
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Research Products
(1 results)