2004 Fiscal Year Annual Research Report
低流量麻酔のプロパティーを熟慮した新規低コスト型放熱性キャニスターの有効性
Project/Area Number |
15790834
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
平林 剛 東京医科大学, 医学部, 助手 (00307349)
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Keywords | channeling / carbon dioxide absorbent / wall effect / carbon dioxide absorption capacity |
Research Abstract |
【目的】二酸化炭素吸収剤の温度格差が二酸化炭素吸収能にどのように影響するのか解明すべく、独自に二酸化炭素吸収剤の温度格差を是正するキャニスター(以後CTGキャニスター)を作成し、二酸化炭素吸収能について従来のキャニスターと比較検討した。【方法】疑似麻酔回路を作成し、CTGキャニスターおよび従来のキャニスターそれぞれに未使用の二酸化炭素吸収剤(Dragersorbfree)を1kg充填した。二酸化炭素をテストラングがら300ml/minで供給し、新鮮ガスとして酸素を500ml/minで供給し、呼吸回数を12回/min、一回換気量を700mlで維持した。吸気二酸化炭素分圧が5mmHgに達するまでの時間(持久時間)と各部位の含水率変化を測定した。【結果】実験開始前の二酸化炭素吸収剤の含永率は15.7±0.2%だった。吸気二酸化炭素分圧が5mmHgに達した時点のキャニスター外側上部の二酸化戻素吸収剤含水率は従来のキャニスターが32.5±0.7%と局所的に過剰に含水率増加を来したのに対し、CTGキャニスターは20.4土0.4%で有意に含水率増加を防いだ。二酸化炭素吸収剤持久時間は従来のキャニスター436±9minであったがCTGキャニスターは570±11minまで有意に増加した。他の二酸化炭素吸収剤amsorb plus, Dragersorb 800 plusを用いた場合でもCTGキャニスターを用いることにより同様におよそ25-30%二酸化炭素吸収剤持久時間が延長した。【結論】チャネリングは従来考えられてきたガスの流れの不均一によって生じるものというよりむしろ温度格差に起因する局所的な含水率の異常増加によって引き起こされたものであり、温度格差を是正することによりチャネリングは改善され、二酸化炭素吸収能は大幅に改善する。
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Research Products
(1 results)