2003 Fiscal Year Annual Research Report
分娩麻酔による局所麻酔薬母体血中濃度が新生児神経行動に及ぼす影響
Project/Area Number |
15790840
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中川 景子 久留米大学, 医学部, 助手 (40320238)
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Keywords | 分娩麻酔(無痛分娩) / 局麻薬血中濃度 / 新生児神経科学行動 / ハイリスク合併妊娠 / サイトカイン / Nitric Oxide |
Research Abstract |
無痛分娩による分娩は年々増加の一途をたどり、近年わが国においても一般に知られるようになってきた一方、麻酔薬を中心とする無痛分娩は、わが国ではほとんど知られておらず、その薬理的作用が胎児・胎盤循環および母体に与える影響がはっきりとしていないために敬遠されがちであるのも現状である。日本における無痛分娩を広く、より安全に行うためには麻酔薬が胎児・胎盤循環および母体に与える影響に関して詳細に研究を重ねる必要があると考えられる。臨床的な報告は欧米でも認められるが、これらに関して詳細に検討が行われた報告はなく、明らかになっていない。 一方、妊娠・分娩による合併症の頻度は依然として高率であり、妊娠中毒合併症例や心疾患合併例ではその死亡率も数%に上っているのが現状である。これらの症例に対して、麻酔薬による無痛分娩と分娩管理を行うことが出来れば、安定した循環動態を維持しながらスムーズに分娩を行うことが出来、母体および胎児の合併症・死亡率等を減少させえるものと考えられる。 このためには、麻酔薬の母体、胎児・胎盤循環に与える影響を詳細に調べ、その有益性を妊婦に提示することで無痛分娩の理解を深めていくことが重要である。 今回の研究では母体、臍帯血中の麻酔薬濃度を測定し、無痛分娩における至適麻酔薬投与量の決定を行う。同時に、無痛分娩によって得られる母体の満足度や、新生児アプガースコア、臍帯血ガス分析、新生児行動学的評価等によってその影響を評価する。 現在まで、血中濃度測定のため微量生体試料測定解析装置整備し、高速液体クロマトグラフィーによる薬剤濃度の適正について、試験段階的に機器の精密度を測定している。また、妊婦における局所麻酔薬の総投与量と新生児神経学的行動検査(NACS)に関して、影響を与えるような結果はでていない。無痛分娩を受けた症例全例において、安全な麻酔管理が行われた。
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