2003 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌におけるアデノウイルスレセプターを用いた遺伝子治療の開発
Project/Area Number |
15790862
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
宍戸 俊英 杏林大学, 医学部, 助手 (40307327)
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Keywords | アデノウイルス / 膀胱癌 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
目的:アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療を行う際、標的細胞におけるCoxsackie and adenovirus receptorの存在の有無がアデノウイルスの感染効率に影響を与えていることがわかった。我々は、膀胱癌細胞株と臨床検体での膀胱癌のCoxsackie and adenovirus receptor発現を検討した。 方法:5種類(RT4,253J, TCC, WH, T24)の膀胱癌細胞株を使用した。臨床検体では45例の膀胱全摘術の手術検体から膀胱癌組織と正常組織を採取した。免疫染色法とSemiquantitative reverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR)によるCAR ratioを測定し、病期分類、異型度との比較検討を行った。 結果:5種類の膀胱癌細胞株のCAR発現量は同一ではなかった。pT1とpT2のCAR発現量は有意な差はなかった。pT3、pT4、pTxN+はpT1と比較してのcoxsackie and adenovirus receptor発現量が有意に低かった(p<0.05)。さらに、grade3はgrade2と比較してCoxsackie and adenovirus receptor発現量が有意に低かった(p<0.01)。 結論:Coxsackie and adenovirus receptor発現は進行癌において有意に低いことから、病期進行に関与している可能性が示唆された。
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