2003 Fiscal Year Annual Research Report
子宮平滑筋腫瘍におけるmig-2遺伝子発現とその機能解析
Project/Area Number |
15790884
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
加藤 清 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (40334908)
|
Keywords | mig-2 / myometrium / leiomyoma / leiomyosarcoma / uterus |
Research Abstract |
子宮平滑筋腫瘍の発生および増殖に関与する遺伝子を検索したところ,mig-2(mitogen-inducible gene-2)遺伝子がmRNAレベルでは子宮平滑筋腫において発現が亢進し,平滑筋肉腫では減弱していることが確認された.この遺伝子の機能を解析することを目的に,mig-2蛋白の発現と局在を免疫組織学的に検討した.まず蛋白レベルでの発現を検討するために抗mig-2抗体を作製し,これを用いて手術によって摘出された子宮平滑筋腫および隣接する正常子宮平滑筋20症例(10例は月経周期の増殖期,10例は分泌期由来)のパラフィン包埋切片について免疫染色を行った.その結果正常平滑筋および平滑筋腫の核に強く染色され、細胞質も弱く染色された.核における発現の程度をPositivity Indexにて検討したところ,(1)子宮平滑筋腫では正常平滑筋および平滑筋肉腫に比し有意に陽性率が高い(2)子宮平滑筋腫と正常平滑筋における発現の差は分泌期により著明となった(3)子宮平滑筋肉腫では陽性率が極めて低い,ことが判明した.以上からmig2遺伝子は蛋白レベルで子宮平滑筋腫に強く発現しており,性ステロイドホルモンdependentな発現調節を受けていることが示された.このことは平滑筋腫がprogesteoneの作用下でより増殖するとされていることと一致しており,mig-2がその増殖機構に何等かの関与をしていることが示唆される.今後はその機能をより詳細に検討していく予定である.
|