2003 Fiscal Year Annual Research Report
各成長段階での卵細胞アポトーシスの生理的、遺伝的、環境因子による制御機構の解明
Project/Area Number |
15790888
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森山 俊武 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20346274)
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Keywords | アポトーシス / カフェイン / アディポネクチン |
Research Abstract |
1)マウス胎生13.5日齢(ヒトの場合妊娠20週に相当)の胎仔卵巣を摘出し、アルコール、カフェイン、各種内分泌撹乱物質を添加、24hおよび48h器官培養を行い、培養組織におけるアポトーシス発現をTUNEL法にて検討した。カフェインにおいて著名なアポトーシス誘導作用が認められた。そこで、その詳細なアポトーシス発現経路を検討するために、各種アポトーシス関連遺伝子の動きを、蛋白レベルはWestern blot法にて、mRNAレベルはNorthern blot法にて検討した。BAX,Caspase 9,Caspase 3のactivationが認められたことより、ミトコンドリアを介した経路でのアポトーシス誘導が起こっていることがわかった。 2)1)の結果を踏まえて、さらにカフェインの母体胎児胎盤系における影響についても検討を行った。正期産例より分娩時に臍帯を採取し、臍帯静脈をディスパーゼ処理することによりHUVECを採取した。この培養系に、カフェインを添加し24hおよび48h培養を続け、培養細胞におけるBAX,Bak,Caspase 9,Caspase 3発現を、mRNAレベルはNorthern blot法で、さらに蛋白発現はWestern blot法で検討した(ミトコンドリアを介した経路の詳細を解明)。1)と同様に、カフェインによりミトコンドリアを介したアポトーシスが誘導されていることが分かった。このことより、母体カフェイン摂取は、feto-maternal unitに障害を与え、さらに胎児へも障害を来たす可能性が示唆された。さらにこの培養系に、血管障害修復作用を持つアディポネクチン蛋白を同時添加することにより、そのアポトーシス誘導が抑制された。
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Research Products
(1 results)