2004 Fiscal Year Annual Research Report
各成長段階での卵細胞アポトーシスの生理的、遺伝的、環境因子による制御機構の解明
Project/Area Number |
15790888
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森山 俊武 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (20346274)
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Keywords | カフェイン / アディポネクチン / アポトーシス |
Research Abstract |
1)胎児・新生児血管内皮細胞モデルとして臍帯静脈内皮細胞(human umbilical vein endothelial cell : HUVEC)を用いカフェインを添加した。カフェイン添加により、cleaved caspase-9,cleaved caspase-3およびcleaved PARP蛋白発現の増加をWestern blottingにより証明した。このことより、カフェインがHUVECにミトコンドリアを介したアポトーシスを誘導することが明らかとなった。さらに、血管障害修復作用を発揮するアディポネクチン添加により、カフェインによって引き起こされたアポトーシスが抑制されることを同時に明らかにした。 2)我々は、妊娠中毒症および子宮内胎児発育遅延症例におけるアディポネクチンの母体・臍帯血中濃度減少および胎盤血管・臍帯血管内皮細胞のアディポネクチン集積を証明した。現在、マウスによる妊娠中毒症モデルの作製を行っている。モデルが作製できればアディポネクチンの血管内皮障害への生物作用の解明が期待できる。 3)卵膜でのアディポネクチンmRNA発現をRT-PCRにより発見した。さらに、羊膜絨毛膜炎(CAM)により有意に増加した卵膜でのアディポネクチンmRNA発現は、前期破水(PROM)により減じることをリアルタイムRT-PCRにより証明した。アディポネクチンが単球・マクロファージや炎症性サイトカインの作用を抑えるという報告がなされていることより、アディポネクチンがCAMの病態進行を抑制し、結果的にPROMの発生を抑えることが強く示唆される。しかし、ひとたびPROMが発生すると、卵膜でのアディポネクチン産生機構が破綻する可能性が推察される。
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