2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法を用いた胎盤増殖・抑制因子の解明及び子宮内胎児発育遅延病態の解析
Project/Area Number |
15790901
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴森 伸宏 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (70326148)
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Keywords | 分子生物学 / 胎盤 / 増殖・抑制因子 / 子宮内胎児発育遅延 / 胎児異常 / ELISA / 出生前診断 / 胎児血 |
Research Abstract |
本研究は名古屋市立大学大学院ヒトゲノム倫理委員会へ申請し、平成15年12月に承認を得ている。充分なインフォームドコンセントののち、経膣または帝王切開分娩後の胎盤絨毛検体(子宮内胎児発育遅延5症例、正常5症例)よりそれぞれmRNAを抽出し、昨年に引き続きクローンテック社のcDNA subtractionキットを用いて、dT primerにてcDNAを合成して、一本鎖cDNAと二本鎖cDNAを合成した。続いて、子宮内胎児発育遅延症例の検体由来の二本鎖cDNAにAdaptorをつけて、両方の検体由来の二本鎖cDNAを2日間Hybridizationさせた。PCR続いてNested PCRを行ってアガロースゲルで電気泳動した。cDNA subtractionされたものが検出される。しかし、胎盤増殖・抑制因子に関係すると思われる遺伝子の明らかな発現を認めなかったため、現在は再びNCBI(National Center for Biotechnology Information)homepageで子宮内胎児発育遅延に有意に発現を認めるクローンを検索中である。 本研究開始より約2年を経て、当科で分娩された症例において、分娩中あるいは術中に臍帯静脈より胎児血を採取し、子宮内胎児発育遅延22症例、妊娠高血圧腎症合併子宮内胎児発育遅延11症例、コントロール26症例を血清分離してフリーザーに保存しており、有意に血管増生に関与している因子をELISA法で分析する方針である。それらの因子が発見出来れば、子宮内の胎児-胎盤発育に関与している可能性が示唆される。また、我々は過去の症例を解析し妊娠初期発症の妊娠高血圧腎症合併の子宮内胎児発育遅延症例の母体血清で、有意にインヒビン濃度が上昇していることを本年度に報告した。今後、母体血清においても、子宮内胎児発育遅延症例で有意に上昇する因子を調べ、早期診断や疾患の予知に有用か否かを分析していく方針である。我々は昨年度に重篤な子宮内胎児発育遅延を認める症例を経験し、それが胎児異常を認め、出生前診断により9番トリソミーであり、子宮内胎児発育と関連していることを症例報告した。本年度は非常に稀な胎児に結合体という胎児異常がある症例2例の出生前診断を報告した。今後、更に胎児異常症例においても詳しく解析し、報告していく方針である。
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Research Products
(3 results)