2003 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌細胞における腹膜播種性転移の分子機構の解明とその治療法への応用
Project/Area Number |
15790906
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
江澤 佐知子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80327585)
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Keywords | 卵巣癌 / 腹膜播種 / Rho-ROCK / Y-27632 |
Research Abstract |
卵巣癌は診断時に卵巣に限局した状態で発見されるものが少なく既に半数近くの症例がリンパ節転移や腹腔内へと播種した進行例で発見される症例が多く予後不良な癌である。したがって、卵巣癌の予後を改善するためには腹膜播種やリンパ節転移を特異的に制御するための治療法を開発する必要がある。腹膜播種性の転移を形成することが多い卵巣癌においてもRho-ROCKシグナル伝達系を介した分子機構の存在が考えられる。そこで本研究では、Rho-ROCK経路の阻害剤の一つである「Y-27632」による播種抑制効果を検討することにより、卵巣癌の腹膜播種性転移におけるRhO-ROCKシグナル伝達機構の関与を解析し、卵巣癌に対する新しい治療法の開発を目的とした。 平成15年度 (1)卵巣癌培養細胞株におけるY-27632によるアクチン束の形成阻害効果の検討:各種卵巣癌由来培養細胞株にY-27632を添加し(0、1、10、25、100μM)添加1時間後の各種細胞のアクチン束形成阻害効果を解析した。なお、アクチン束はRhodamine phalloidin (Molecular Probes)にて染色を行う。Y-27632添加によりアクチン束形成阻害が可能であった卵巣癌由来培養細胞株(RMG-I、RMG-II、RMUG-S)の同定に成功した。 (2)卵巣癌培養細胞株におけるLPA刺激による細胞運動効果とY-27632によるその運動阻害効果の検討:各種卵巣癌由来培養細胞株の血清を除いた18時間後LPA(Sigma)を5μmol/L添加し、さらにY-27632を各濃度で添加し(0、1、10、25、100μM)、添加1時間後の各種細胞の細胞運動時に認められる葉状仮足の進展の観察を現在行っている。
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