2003 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー切断を介した細胞内情報伝達系と癌化の関連に関する研究
Project/Area Number |
15790917
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
辻岡 寛 福岡大学, 医学部, 助手 (90352252)
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Keywords | GPIアンカー / GPI-PLD |
Research Abstract |
我々の仮説によれば、GPIアンカーを介して細胞膜表面に結合した膜タンパクである癌胎児性抗原(CEA)が血液中に分泌される機序は、GPI-PLDによるGPIアンカー切断によるものと考えており、CEA分泌レベルとGPI-PLDの発現レベルには正の相関があると予測される。 当初はヒト生体から採取した組織を使用して今後の実験をおこなう予定であったが、術前の血中CEA値が高値であった症例からのサンプリングが思いのほか少なく、実験の効率性から考えて、まず基礎的な実験としてヒト由来細胞株のCEA分泌レベルとGPI-PLDの発現レベルとの相関を確認することとした。 ヒト消化器癌由来細胞株では1,000ng/10^6 cell以上の高レベルのCEA分泌を認めるものから、全くCEAの分泌のないものまで様々である。これらの細胞は同じ臓器から樹立されており、これらの細胞を用いることで、組織による違い等の余分な因子を取り除いて実験することができる利点がある。 現時点では、各種の細胞のCEA分泌量を確認している段階であり、候補となる細胞としては、LoVo、SW116、SW837等が考えられる。いずれも500ng/10^6 cell以上のCEA分泌量を示している。また対照として分泌のみられない細胞の選定もする予定である。その分泌レベルによって、GPI-PLDの発現をRT-PCRにて確認し、その相関について詳しい解析を行う予定ではあるが、現時点ではGPI-PLDの発現に関してのデータはまだ出ていない。 平行して生体組織のサンプリングも続けており、数が集まり次第生体組織での同様の実験を行いたい。
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