2004 Fiscal Year Annual Research Report
衝動性視線変位時の眼球・頭部・体幹協調運動の制御機構
Project/Area Number |
15790931
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
久世 文也 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (70313898)
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Keywords | saccade / オムニポーズニューロン / 網様体脊髄路 |
Research Abstract |
脳幹オムニポーズニューロン(OPN)は衝動性眼球運動(サッケード)発現に際して、サッケードジェネレータのゲイティングの役割を果たしていると考えられてきた。 我々は今まで、電気生理学的研究を行い、OPNには従来示されてきたタイプの細胞に加え、いわゆる複雑型OPNが存在することを提唱してきた。すなわち、頭部を自由に動かせる条件下で、従来のOPNは一連の視線移動中に見られる視線の衝動性変位のみに関連して発火を停止する特徴を持つのに対し、複雑型OPNは、複数の衝動性視線変位とそれをつなぐ緩徐な視線変位を含めた、一連の視線移動の膳期間中、あるいはそれ以上の期間中発火を停止する特徴を持つ。 ネコは、視線移動の際、眼球運動のみならず頭部、ひいては体幹を連動させてすばやい衝動性視線変位を行う。そこで、本研究者は、複雑型OPNが眼球・頭部運動のみならず体幹も含めた大きな振幅の視線移動に際してもゲイティングの役割を果たしているのではないかという仮説を立てた。 本研究では無拘束ネコを用いた、眼球、頭部、体幹の一連の運動を行動学的に解析する必要がある。しかしながら、近年中動物の実験に対して様々な制約があり、実験は大変困難となっている。それに伴い、従来行ってきたネコでの実験系は見直しせざるを得ない状況である。眼球運動検出は従来コイルを用いてきたが、今後小動物使用を視野に入れ、ビデオ画像によるサンプリングの開発を試みる。体幹の変位検出法について、腰部にホルダーをとりつけホルダーにコイルをとりつけることを試みたが、動物に自由な運動を行わせることは困難である。本法については検討を要す。動物が視覚誘導性の衝動性運動を行うことを可能にするためには、頭部ホルダーや体幹ホルダーの形状など、今後検討すべき課題がまだ多い。 本研究では複雑型OPNの神経活動を慢性的に記録する必要がある。昨年度からそのためのシステム構築に努めてきたが、実験系を確立するのは容易ではない。来年度は基礎的な実験データを集積していく予定としている。可能であれば組織学的実験を行い実験系を確立する。
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