2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15790943
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
末永 智 大分大学, 医学部, 助手 (50284807)
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Keywords | 中耳粘膜 / 耳管 / 粘膜免疫 / 実効組織 |
Research Abstract |
SPF下で飼育されたC57BL/6マウスより顕微鏡下に中耳粘膜及び耳管粘膜を採取し、以下の実験を行った。 1,フローサイトメトリーによるリンパ球の解析 中耳粘膜リンパ球は、T細胞に対しB細胞が占める割り合いが大きい。またB-1細胞も認められた。αβT細胞が80%を占めていたが、γδT細胞も認められた。NALTでは、γδT細胞はほとんど認められなかった。 2,ELISPOT法による抗体産生細胞数の検討 中耳粘膜ではIgA主体の抗体産生が認められた。細胞10^6個あたりIgA産生細胞を400個認めた。 3,P6外膜蛋白とコレラトキシンによる経鼻免疫による中耳の反応 中耳粘膜におけるP6特異的IgA産生細胞の増加を認めた。 4,中耳粘膜におけるサイトカインmRNAの発現 Th2型サイトカインの発現を認めた、抗CD3抗体による刺激によりTh1型サイトカインの発現も認めた。 耳管粘膜においても、上記1,2,3,4と同様の検討を行い、中耳粘膜とほぼ同様な結果を得た。ただしγδT細胞はほとんど認めなかった。 以上より、耳管を含めた中耳粘膜は、細胞構築の面から様々な免疫担当細胞が存在し、粘膜免疫応答において、実効組織として機能し得ることを再確認した。
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