2004 Fiscal Year Annual Research Report
鼻アレルギーにおけるマトリックスメタロプロテアーゼの新たな役割
Project/Area Number |
15790958
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
森 幸子 日本医科大学, 医学部, 助手 (40343610)
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Keywords | MMP / TIMP / 鼻アレルギー |
Research Abstract |
1.通年性鼻アレルギー患者において、Matrix metalloproteinases(MMP)2、9、13とその抑制因子であるTissue Inhibitor of Metalloproteinases(TIMP)1、2それぞれの発現を兔疫組織学的に確認した。 2.通年性鼻アレルギー患者の下甲介粘膜前端に抗原ディスクを置いて誘発し、30分、6時間、12時間後の下甲介粘膜を生検し、免疫組織学的にMMP2、9、13およびTIMP1、2の発現が経時的にどのように変化しているか検討し、以下のことを確認した。 (1)MMP2は30分後に上皮層と固有層で増加し、12時間後に特に上皮層で増加していた。 (2)MMP9は30分後に特に固有層で増加し、6時間後には特に上皮層で、12時間後にはまた固有層で増加していた。 (3)MMP13は30分後に上皮層と固有層で増加し、6時間後には上皮層で、12時間後には固有層で増加していた。 (4)TIMP1は、30分、6時間、12時間後のいずれでも、対照の上皮層では発現していなかったが、上皮層、固有層全てで増加していた。特に6時間後の上皮層での増加が著しかった。 3.30分後の結果より、MMP2、13は鼻アレルギーの即時反応において炎症細胞である肥満細胞やT細胞の上皮内への浸潤に関与している可能性が考えられた。更に、30分後のMMP2/TIMPおよびMMP13/TIMPの比は、上皮層で7.8と8.2、固有層で1.8と1.2であったが、6時間後にはそれぞれ0.7と0.9、5と2.4であった。また、肥満細胞からの刺激で上皮細胞からMMP2、9の産生が増加することが報告されており、12時間後には再びMMP2が増加したものと考えられた。 今後は更に症例数を増やし、MMPやTIMPの活性型についても検討する。
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Research Products
(2 results)