2003 Fiscal Year Annual Research Report
ラツトの視覚―前庭矛盾刺激に対する適応現象について
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15790960
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
関 良武 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90329285)
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Keywords | 視覚-前庭矛盾刺激 / 適応現象 / 時定数 |
Research Abstract |
ヒト、実験動物で視覚-前庭矛盾刺激を与えることによって前庭動眼反射の利得と位相に影響を及ぼすことは以前から知られている。ラットでの実験の前段階としてヒトを用いて視覚-前庭矛盾刺激を与えて前庭動眼反射を観察した。今年度は視覚-前庭矛盾刺激をどの程度の時間あたえたら適応現象が獲得できるのか、またその時の前庭動腺反射の利得と上昇する過程には指数関数的な時定数が存在するかどうかを検討した。方法:眼球運動は銀皿電極で記録した。被験者を回転台に頭部を正面に向けた状態で固定する。回転椅子は最大角速度40度/秒で振子様に回転する。視覚刺激はストライプを用いてこの回転椅子の動きに同期して全く逆方向に動く。椅子と視覚刺激はコンピュータで制御される。この視覚-前庭矛盾刺激を2分間与えた時点で視覚刺激をoffにして暗所開眼の状態で前庭動眼反射を測定する。さらに視覚刺激をonにしてさらに視覚-前庭矛盾刺激を2分間つづける。このように視覚-前庭矛盾刺激と暗所での前庭動眼反射を繰り返しながら30分間眼球運動を記録した。実験の最中は赤外線カメラで被験者を観察した。記録したデータは独自に開発した解析ソフトを用いて、前庭動眼反射の利得と位相を解析した。結果:ヒトでは視覚-前庭矛盾刺激を15分与えると前庭動眼反射の利得は有意に指数関数的増加を示した。また、適応現象を獲得した後にも被験者を暗所に保っていれば適応現象は維持されることがわかった。結論:ヒトでは極めて短時間で適応現象が起こっていることが判明した。ラットでの実験の前段階としてヒトを用いて視覚-前庭矛盾刺激を与えて前庭動眼反射を観察した。今年度は視覚-前庭矛盾刺激をどの程度の時間あたえたら適応現象が獲得できるのか、またその時の前庭動眼反射の利得と上昇する過程には指数関数的な時定数が存在するかどうかを検討した。結果:ヒトでは視覚-前庭矛盾刺激を15分与えると前庭動眼反射の利得は有意に指数関数的増加を示した。また、適応現象を獲得した後にも被験者を暗所に保っていれば適応現象は維持されることがわかった。
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