2003 Fiscal Year Annual Research Report
アテロコラーゲンによる相同遺伝子組換え技術を用いた遺伝性網膜疾患治療の開発
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15790998
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平田 憲 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (60295144)
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Keywords | アテロコラーゲン / LEDGF / 神経保護 |
Research Abstract |
アテロコラーゲンを用いたタンパクおよび遺伝子デリバリーシステムの確立 白色家兎(生後12週、体重2.0-2.5kg)を用い、全麻下(ketamine hydrochloride;20mg/kg筋注)にて、アテロコラーゲン自体の眼組織に対する毒性、吸収の程度を評価するために濃度と注入量を変え、硝子体腔内および網膜下に注入した。注入したアテロコラーゲン濃度は1,0.1,0.01%とし、注入量は硝子体腔内へは50もしくは100μl、網膜下腔へは人工的網膜剥離の直径が3-6mmとなるように行った。注入法は、輪部より2mm離れた部位より、41G網膜下カニューラにて行い、術翌日より3週間後まで吸収の程度を検眼鏡あるいは顕微鏡的に観察し、3週間後に眼球を摘出し固定液(2%パラフォルムアルデヒド+2.5%グルタールアルデヒド混合液)にて組織の固定を行い、組織切片による形態の変化について検討した。結果としていずれの濃度においてもアテロコラーゲンによると思われる網膜障害が認められた。SSOsとアテロコラーゲンを混合し、注入法の組み合わせ(硝子体腔内注入のみ、網膜下注入のみ、硝子体腔内と網膜下への注入、硝子体手術後に硝子体腔内注入、硝子体手術後に硝子体腔内と網膜下注入)を用いて、遺伝子組み換えについて最も効率のよい注入法を検討した結果、硝子体腔内注入のみの投与で最高約1%の遺伝子組み換えが認められた。 Lens epithelium-derived growth factor(LEDGF)の神経保護効果の検討 同時に、神経保護薬導入のための候補薬剤としてlens epithelium-derived growth factor(LEDGF)の神経保護効果について検討した。N-methyl-D-aspartate(NMDA)の硝子体注入によって作製したラットモデルを用い、種々の濃度のLEDGFを硝子体腔内に投与し、神経節細胞数、網膜内網状層の厚さ、上丘標識による生存神経節細胞数を比較検討したところ、LEDGF投与によりNMDA障害ラットの網膜に有意な神経保護効果が認められた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Inomata Y, Hirata A, Koga T, Kimura A, Shingh DP, Shinohara T, Tanihra H.: "Lens epithelium-derived growth factor (LEDGF) : neuroprotection on rat retinal damage induced by N-methyl-D-aspartate."Brain Res.. 991. 163-170 (2003)