2003 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析によるぶどう膜炎における難治性黄斑浮腫の病態解明
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15791002
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
安原 徹 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (70305605)
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Keywords | プロテオーム解析 / 嚢胞様黄斑浮腫 / ぶどう膜炎 |
Research Abstract |
ぶどう膜炎は、眼科領域において治療法の未確立な領域の多い疾患群のひとつであるが、これに併発する黄斑浮腫が難治であるため、本研究では、各種ぶどう膜炎患者に硝子体手術を施行した際の硝子体液を検体としてプロテオーム解析を行い、その原因関連因子の検索を行うことを目的とした。 今年度の検討では、対象および対照はぶどう膜炎症例での黄斑浮腫合併例および非合併例であった。全例ステロイドを3ヵ月以上内服および点眼投与されている患者であり、原疾患に関してはすべて不明例であったが、全症例網膜浸出斑や下方周辺部を中心とした静脈周囲炎の原症や既往がある。手術理由に関しては、黄斑浮腫症例では黄斑上膜形成を必ず含んでおり、対照症例は硝子体混濁のみのものと黄斑上膜形成を含んでいるものとがあった。黄斑浮腫の形態は、嚢胞様黄斑浮腫をきたしていることを基本とし、蛍光眼底造影にて色素漏出所見があるのみならず、OCT (Optical Coherence Tomography)にて網膜内に嚢胞が確認されることを必要条件とした。対照患者は黄斑浮腫を認めない症例としたが、実際には蛍光造影にて若干でも黄斑部の色素漏出を認めない症例はなく、蛍光造影での漏出性変化は認めるが、OCTにて明らかな網膜内浮腫の存在を認めないものを含んでいる。 上記の患者を対象とした今年度の検討では、硝子体液のプロテオーム解析によって、黄斑浮腫症例に特異的と思われる蛋白は検出されていない。対象・対照ともに、未だ症例数が10例未満であるため、今後症例数の増加が必要である。また次年度では、対照の選択として、OCTにて網膜形態に以上がないのみならず、蛍光造影にてまったく漏出性変化のない症例も加えて比較検討したい。
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