2003 Fiscal Year Annual Research Report
スタチンのラット高酸素負荷眼内血管新生に対する影響
Project/Area Number |
15791005
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
長谷部 康子 昭和大学, 医学部, 助手 (00307034)
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Keywords | 血管新生 / 眼 / ラット / HMG-CoA還元酵素阻害剤 / シンバスタチン / 高酸素 / 動物モデル / 高酸素負荷眼内血管新生 |
Research Abstract |
シンバスタチン投与の網膜血管発達に対する影響: 血管新生モデルは、Sprague-Dawleyラット新生児に生直後より11日間80%酸素を負荷した後、12日齢より大気中に戻し作成した(O_2群)。対照として大気中で飼育した動物を用いた(C群)。 0.1mg/kg/dayシンバスタチン(L-SVA)投与群または1mg/kg/dayシンバスタチン(H-SVA)投与群、あるいはコントロールとしてH_2O(DW)投与群に分けた。薬物投与は6日齢から17日齢まで1日1回50μg/10g体重で腹腔内注射を行った。 網膜展開標本において、C+DW群(n=14)、C+L-SVA群(n=14)、C+H-SVA群(n=14)のいずれも網膜血管の発達異常は認めなかった。 シンバスタチン投与の高酸素負荷眼内血管新生に対する影響: 血管新生スコア(mean±SD)は、O_2+DW群(n=19)で4.2±2.9、O_2+L-SVA群(n=21)で4.3±3.2、O_2+H-SVA群(n=19)で5.3±3.8であり、O_2+DW群とO_2+L-SVA群およびO_2+DW群とO_2+H-SVA群の間に有意差はなかった。 無血管野面積(mean±SD)は、O_2+DW群で19.7±19.0%、O_2+L-SVA群で18.2±16.6%、O_2+H-SVA群で16.6±16.3%であり、O_2+DW群とO_2+L-SVA群およびO_2+DW群とO_2+H-SVA群の間に有意差はなかった。 以上、ラット高酸素負荷眼内血管新生モデルではシンバスタチン(0.1mg/kg/dayまたは1mg/kg/day)の腹腔内投与による影響は認めなかった。今後、強力な血管新生促進因子である血管内皮増殖因子(VEGF)との関連等について検討したい。
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