2003 Fiscal Year Annual Research Report
ぶどう膜炎におけるケモカインレセプターCCR5の関与とその阻害薬による治療効果の検討
Project/Area Number |
15791007
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 潤 東京医科大学, 医学部, 助手 (90349449)
|
Keywords | ぶどう膜炎 / ケモカイン / EAU / CCR5 |
Research Abstract |
ヒトぶどう膜炎の動物モデルである実験的自己免疫ぶどう膜網膜炎(EAU)に対し,CCR5阻害薬(TAK-779)を投与する事でその発症を抑制できるか検討した. [実験1] 牛網膜抽出抗原(IRBP)の合性ペプチド400μgを完全フロインドアジュバントとともにB10Aマウスに免疫,同時に百日咳菌毒素1μgを強化免疫しEAUを作製した.TAK-779は蒸留水に溶解し150μgをIRBPペブチド免疫前日より免疫後は隔日で腹腔内投与した.免疫後21日目に屠殺,眼球を摘出して病理組織学的所見より重症度をスコアー化し,脾細胞を摘出後に抗原刺激し,培養上清よりリンパ球のサイトカイン産生を測定した.病理組織学的重症度は薬剤非投与群(0.4±0.42),TAK-779投与群(2±1.34)であった.サイトカイン産生はIFN-γ(薬剤非投与群5982.1pg/ml, TAK-779投与群8360.3pg/ml),TNF-α(薬剤非投与群324.2μg/ml, TAK-779投与群965.3μg/ml)であった. TAK-779投与によりEAUは重症化した.この原因としてTAK-779の溶解が蒸留水では困難であった事が考えられ,次の実験ではマンニトールを用いた. [実験2] EAUは実験1と同様に惹起しTAK-779は5%マンニトールに溶解し連日投与群,IEBP免疫前10日のみ投与群,免疫後10日のみ投与群を作製した.免疫後21日目に屠殺し病理組織学的にEAUの重症度を検討したところ,薬剤非投与群1.5±1,連日投与群0.7±0.67,免疫前10日投与群1.75±0.87,免疫後10日投与群0.5±1.12であった. 実験2からはTAK-779はEAUのeffctor phaseで発症抑制に関与している可能性が示唆された. 今後はCCR5ノックアウトマウスを用いて,薬剤効果を検討していく予定である.
|