2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15791015
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山田 晴彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (50288841)
|
Keywords | 眼内血管新生 / スタチン / フィブラート / 抗高脂血症薬 |
Research Abstract |
1)低酸素網膜症モデル 生後7日目の新生児マウスを母親ごと酸素濃度75%に調整してある容器にいれ、5日間高濃度酸素に暴露する。その後容器から出して通常酸素濃度の環境に5日間置くことで相対的低酸素状態をつくりだし、低酸素網膜症を発症させた。この5日間にピタバスタチン、ベザフィブラート、コントロール薬剤をそれぞれ経口投与し新生血管の抑制効果をみた。生後17日に眼球を摘出し、薄切した切片を血管内皮細胞の免疫組織化学染色を行い、網膜表層の新生血管の面積を測定したところ、ピタバスタチン、ベザフィブラート共にcontrol群と有意に新生血管の増殖促進をみた。 2)レーザー光凝固による脈絡膜新生血管 週齢6週のC57BLマウスに全身麻酔下でクリプトンレーザーを用いて眼底に強度光凝固を行い、ブルフ膜を破壊する。レーザー施行当日より薬投与群、control群にわけて種々のピタバスタチン、ベザフィブラート、コントロール薬剤をそれぞれ経口投与し、術後1、2週間目の脈絡膜新性血管が生じている眼球を摘出し10ミクロンの厚さに連続薄切した後、血管内皮細胞に特異的なGriffonia Iso-lectinで免疫組織化学染色を行う。これらの切片をコンピューターに取り込み、連続切片の脈絡膜新生血管の面積を合計することで体積を導いた。現在脈絡膜新性血管の大きさに有意な差があるかどうかを検討中である。 3)糖尿病網膜症を発生するSDTラットを用いた研究 SDTラットは唯一増殖糖尿病網膜症を来す動物モデルといわれている。糖尿病発症を確認したSDTラットに対してピタバスタチン、ベザフィブラート、コントロール薬剤をそれぞれ連続して8か月間経口投与を行い、8か月後に眼球を摘出して10ミクロンの厚さに連続薄切した後、血管内皮細胞に特異的なGriffonia Iso-lectinで免疫組織化学染色を行う。現在投与中であり、次年度に結果が出るものと期待される。 ※薬剤の入手の問題からアトロバスタチンではなく、ピタバスタチンを試用することとなった。
|