2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15791024
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
米川 浩伸 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00296279)
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Keywords | 胎仔マウス / 小腸細胞 / バイクリルメッシュ / 細胞培養 / 小腸組織様構造 |
Research Abstract |
目的)前年度までの研究で細胞レベルまで分離した胎仔マウス小腸を培養によって小腸組織様構造を認める細胞塊に再構築しマウスの腹腔内の場所を変え移植を試みた。細胞塊は約2週間で完全に吸収されたが場所により吸収される時期が多少異なり腸管壁、腸間膜、肝表面で比較すると肝表面の細胞塊の吸収が遅かった。このため吸収された原因の一つとして細胞塊がしっかりとした支持組織が無いことが原因の一つと考えて支持組織の代用としてバイクリルメッシュ(polyglactin910)を用いて細胞培養を行い細胞塊とメッシュの合成物を形成し移植の実験を行った。 材料と方法)胎齢16日の胎児マウスの空腸から回腸までの小腸を摘出細切した。細切した小腸は0.1%コラゲナーゼディスパーゼを用いて37℃、60分間の消化を行い細胞単位に分離した。1000回転15分間の遠心を行い高濃度細胞浮遊液を作った。培養皿の中に置いたステンレスメッシュの上にメンブレンフィルターをのせさらにその上にあらかじめコラーゲンゲルを浸透させたバイクリルメッシュ(polyglactin910)を置いてメッシュ上に高濃度細胞浮遊液を101ずつにスポットした。その後20%胎児牛血清を含む培養液を加え37℃,5% CO2の条件下培養を行った。約1週間の培養によって形成された細胞塊とバイクリルメッシュの合成物をマウスの腹腔内に移植し経日的に標本を摘出組織学的検討を行った。 結果とまとめ)マウスの腹腔内に移植目的で置かれたバイクリルメッシュと細胞塊の合成物は約1週間で萎縮し約2週間でバイクリルメッシュを残し完全に吸収された。このためバイクリルメッシュと細胞塊のマウス腹腔内への生着をクリアする条件として強度ばかりでなく血流などの細胞塊への栄養が不可欠である可能性が示唆された。
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