2003 Fiscal Year Annual Research Report
口腔腫瘍におけるパールカン遺伝子スプライシング様式の意義-分子亜型発現パタンと細胞増殖制御機能-
Project/Area Number |
15791039
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
|
Keywords | パールカン / ヘパラン硫酸プロテオグリカン / 選択的スプライシング / 口腔腫瘍 / ペプチド抗体 / 免疫染色 / 毛細血管 / in-situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
本研究課題は、申請者が発見した二つのパールカン・スプライシング亜型の細胞特異的、細胞増殖過程特異的に発現する可能性を探り、生体内での生理学的ならびに病理学的意義の解明につなげるものである。 パールカンドメインIとIIの間に新規エクソンが挿入される第一スプライシング亜型では、そのエクソン部分の17アミノ酸の配列においてヒトとマウスで二つのアミノ酸が異なっている、今回、新たにヒトとマウスの新規エクソン部分のポリペプチド鎖全長を合成し、それぞれ二羽のウサギに免疫しポリクローナル抗体を作製した。これらの抗体をもちいて、スプライシング亜型の組織および細胞内局在様式を免疫組織化学的に解析するとともに、免疫沈降法とウェスタンブロット法を組み合わせ生化学的にスプライシング亜型の発現を解析した。以前に作製した抗体で得られた染色結果と同様に主に基底膜に認められる野生型とは異なり、第一亜型では毛細血管に特異的な染色パタンが確認された。また、軟骨組織では軟骨小腔に特異的な染色が認められた。さらに、これらの抗体をもちいたマウス各臓器における第一亜型のタンパク質発現の解析では、400kDa以上の分子量をもち野生型と同じ挙動を示すバンドが確認され、その発現量がRT-PCRによるmRNA発現の解析結果とよく一致することが示された。 また、軟骨組織をもちいてスプライシング亜型のin-situハイブリダイゼーションを行った。結果は免疫組織化学的解析の結果と一致し、スプライシング亜型のmRNAは軟骨細胞に特異的に発現することが示された。
|