2003 Fiscal Year Annual Research Report
ASK1の機能回復によるHIV感染細胞のアポトーシス誘導法
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15791046
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
神原 賢治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60305141)
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Keywords | ASK1 / HIV / Nef / apotosis |
Research Abstract |
ヒトレトロウイルスであるHIV(human immunodeficiency virus)はAIDSの原因ウイルスである。AIDSとは、HIV感染によって引き起こされた高度な免疫不全に、日和見感染、腫瘍、痴呆など二次的疾患を合併した病態であり、言い換えれば、HIV感染後長い持続感染を隔て、ついには免疫系の破綻とともに発症する。現在行われているHIV感染に対する治療法は、逆転写酵素阻害剤とプロテアーゼ阻害剤とを組み合わせた、HAART(highly active anti-retroviral therapy)療法が行われ良い成果が見られている。その反面、検出限界以下にウイルス量を低減できても、完全に生体内から排除する事は不可能である。最近の報告を見ると、HIVはDenric cell(DC)とT細胞が結合している側に多く濃縮集積されており、T細胞側には感染レセプターが集まっている事が示されている。すなわち、DCにて濃縮されCD+4細胞に受け渡されている事が分かった。また、Nefに関する報告としては、T細胞におけるHIV潜伏化ならびに活性化にマクロファージでのNefの機能が重要である報告や、NefがNF-κB、AP-1及びJNKを活性化させて単球でのHIV転写促進する事や、HIVのNefの病態促進作用はCD4のdownregulationの活性と相関するなど、重要な報告がなされてきている。すなわち、Nefの機能を阻害できれば、HIV感染をコントロールできる事を示している。我々の申請研究は、まさしくNefの機能を制御し、HIV感染細胞を排除する事を目的としており、新しい知見をもたらす物である。本年度にいたっては、更なる方向性、実験計画の見きわめを行い、その上にたってASK-1のクローニングとASK-1強制発現細胞を樹立する事であった。我々は、計画書に従いASK-1のクローニングを行い、幾つかのクローンを取得した。また、本年度は計画を変更し、数種の変異体ASK-1を発現すべくプラスイドを構築を遂行し、今現在もその最中である。従って、細胞に導入し各種ASK-1を安定的に発現する細胞株は得ていないが、早急に行う予定である。来年度は、これら細胞を用い生物assayを遂行する予定である。
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