2003 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子Osterixによる骨形成・再生制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15791054
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八田 光世 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30344518)
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Keywords | 転写因子 / 遺伝子発現 / 骨形成・再生 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
<15年度研究実績> 1)Osterix分子機能解析: Osterix各種変異体を用いたルシフェラーゼアッセイにより転写因子として重要である転写活性化domainを同定した。さらに、Osterix転写活性化domainは組織非特異的転写活性を有し、酵母細胞においても転写活性化能を保持していることを明らかにした。 2)細胞核内におけるOsterix相互作用因子の探索・解析: (1)Osterix転写活性化domainが基本転写因子であるTF-IIBと相互作用することをGST-pull-down法により同定したTF-IIBとの相互作用は転写活性化能発揮に重要であると考えられる。(2)OsterixのC末Zinc-Finger領域がクロマチンリモデリング因子Brg-1、癌抑制遺伝子p53と相互作用することがGST-pull-down法および免疫沈降法により確認された。これらの因子との相互作用がOsterixの機能にどのような影響を与えるのか今後検討する予定である。 3)Osterixにより発現制御される遺伝子群の探索・解析: 樹立したOsterix遺伝子過剰発現SaOS2細胞と親株SaOS2細胞の発現mRNAを回収、網羅的発現遺伝子解析・比較によりOsterixにより制御される遺伝子群を検討した。その結果、Osterixにより発現亢進または抑制される遺伝子が確認されたが、同定までには至っていない。 4)Osterixにより制御される骨芽細胞機能の解析: 15年度計画1)より解析・同定されたOsterixの転写活性化domainについての各種変異体発現レトロウイルスベクターを作製、骨芽細胞分化過程の研究に用いられているMC3T3-E1細胞に各種Osterix変異体を導入、骨芽細胞特異的遺伝子群に及ぼす影響をRT-PCR法にて解析・検討した。現時点では、レトロウイルスベクターにて導入したOsterixのMC3T3-E1細胞分化に対する促進的影響を確認できていない。
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