2003 Fiscal Year Annual Research Report
咬合挙上による咬筋筋線維タイプの変化およびその調節機構の解析
Project/Area Number |
15791071
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大貫 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (50288114)
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Keywords | 咬合挙上 / ラット / 咬筋 / ミオシン / クレンブテロール / competitive RT-PCR |
Research Abstract |
スプリント療法の筋肉レベルでの生理学的治癒機序を解明するため、咬合挙上(顎間距離の増大)によるラット咬筋筋線維タイプの変化およびその調節機構の解析を行った。 1.咬合挙上による咬筋筋線維タイプ変化の解析 咬合挙上(下顎切歯に咬合挙上板を1〜28日間装着)がラット咬筋における収縮タンパク質(ミオシン重鎖、ミオシン軽鎖、トロポニン、トロポミオシンなど)ならびにエネルギー代謝酵素(carbonic anhydrase III: 酸化還元酵素、phosphoglucoisomerase:解糖系酵素など)の遺伝子発現に与える影響をmRNAレベル(competitive RT-PCR法による解析)及びタンパク質レベル(電気永動法による解析)で定量的に解析した。その結果、咬合挙上によりラット咬筋の筋線維タイプが、収縮速度の遅い、難疲労性のタイプへ変化(エネルギー効率の良いタイプへ変化)すること(遅筋化)が観察された。 2.咬筋筋線維タイプ調節機構の解析 β2アゴニストであるクレンブテロール(近年、骨格筋の速筋化や筋肥大を惹起することが報告されている)が咬合挙上によるラット咬筋筋線維タイプの遅筋化に対して拮抗作用を有するかを明らかにするため、咬合挙上とクレンブテロール投与を施したラット咬筋におけるミオシン重鎖アイソフォームのmRNA量をcompetitive RT-PCR法により定量的に解析した。その結果、クレンブテロールが咬合挙上による咬筋の遅筋化に対して抑制的に作用することが観察された。
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