2003 Fiscal Year Annual Research Report
人工齲蝕象牙質モデルを用いた新しいレジン修復法の開発
Project/Area Number |
15791098
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浦山 明久 徳島大学, 歯学部, 助手 (40304539)
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Keywords | レジン / 齲蝕象牙質 / 人工齲蝕 / マイクロテンサイル法 / レジン浸透性 |
Research Abstract |
象牙質に対する接着システムの性質が近年著しく向上したのに伴い、新しい概念の象牙齲蝕治療法が提唱されている。従来の研究では健全象牙質がレジン浸透性の評価の対象であったが、今後は齲蝕象牙質に対する接着メカニズムの検討が必要不可欠である。今回、接着システムの処理方法が人工齲蝕象牙質へのレジン浸透性に与える影響について検討した。抜歯適応となったヒト健全生活大臼歯を被験歯として用いた。抜去歯の歯冠半分を切断し新鮮な象牙質表面を露出させた後、この試料をStreptococcus mutans MT8148を接種した0.5%スクロース含有ブレインハートインフュージョン液体培地に2週間浸漬し、人工齲蝕象牙質表面を形成した。接着システムは、セルフエッチングシステムであるメガボンド(クラレ社)とウェットボンディングシステムであるシングルボンド(3M杜)を各処理方法で使用し、人工齲蝕象牙質に対する接着強度をマイクロテンサイル法を用いて測定した。マイクロテンサイル法の結果より、メガボンドの人工齲蝕象牙質への接着強度は16.7MPaを示した。プライマー処理時間が40,60秒の場合の接着強度はそれぞれ18.5,17.2MPaとなった。またボンディングを二度塗りした場合、接着強度は17.4MPaとなり有意差は認められなかった。一方,シングルボンドの人工齲蝕象牙質への接着強度は15.3 MPaを示した。エッチングの処理時間が30,45秒の場合,接着強度は13.6,12.4MPaとなりわずかに低下した。また,ボンディング操作を2回行った場合,14.4MPaとなり有意差は認められなかった。これらの結果より、接着システムの処理方法を変えることにより、人工齲蝕象牙質への接着強度は改善されない可能性が示唆された。
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