2003 Fiscal Year Annual Research Report
軟らかく弾性回復性に優れた重付加型シリコーンゴム印象材の開発
Project/Area Number |
15791116
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
泉田 明男 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40333827)
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Keywords | 操作性 / 流動性 / 降伏値 / チキソトロピー / 超微粒子フィラー |
Research Abstract |
本研究の本年度の目的は,精密弾性印象材として臨床において広く用いられている重付加型シリコーンゴム印象材の操作性の向上,すなわち,硬化前ペーストに練りやすさと垂れにくさを付与することである。 申請者がこれまでに行った市販材料の組成と流動特性の検討を踏まえ,ペーストの配合設計を次のように行った。キャタリストペースト想定のペーストはフィラーの主成分に石英,ペーストに垂れにくさを与えるフィラーとして微粒子フィラーを用い,プレポリマーには重量平均分子量56000と85000からなる低粘度と高粘度2種類のピニルポリジメチルシロキサンを用いた。一方,ベースペースト想定のペーストにはキャタリストペースト想定のペーストに水素化ポリジメチルシロキサンを添加した。 その結果,ペーストに垂れにくさ,すなわち降伏値を付与するためには数%の超微粒子フィラーが有効であることがわかった。また,低粘度のプレポリマーを用いることにより練りやすさも同時に付与することが出来た。さらに,ベースペースト想定のペーストに添加した水素化ポリジメチルシロキサンは,チキソトロピックな性質に影響をもたらした。次にこれらのペーストを触媒無添加で練和したペーストの流動性は,ベースペースト想定のペースト単独と比較してチキソトロピックな性質は減少したものの低粘度で降伏値を持つことが確認され,垂れにくく練りやすい,操作性に優れた印象材を作り出す可能性の示唆を得た。 今後はこれらの結果を踏まえ,硬化体の物性の向上を目指す予定である。
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