2004 Fiscal Year Annual Research Report
携帯情報端末を用いた顎関節症患者のストレスレベルと症状発現の時系列的関係の解明
Project/Area Number |
15791117
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 智昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50312591)
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Keywords | 顎関節症 / ストレス / 連帯情報端末 |
Research Abstract |
本研究は顎関節症患者が自己評価するストレスの強さと症状の発現状態(部位、程度)を携帯情報端末に逐次記録してもらい、これを解析することでストレスと顎関節症の因果関係を検索することが目的である。昨年度の研究においてデータ入力に係る被験者の時間的負担が大きいこと、ならびに精神心理的状態を簡便に評価する項目としてストレスのVAS(Visual Analog Scale)が有用であることが明らかになったため、本年度は携帯情報端末とデータ入力プログラムの改変を行った。 携帯情報端末はセイコー社製のRaputerからソニー社製のClieに変更した。スタイラスを用いてワンタッチで入力できるため、一つの質問の回答に要する時間が数秒に短縮された。データ入力プログラムでは、顎関節症症状の部位と強さを一つの画面上で同時に入力できるようにし、入力時間の更なる短縮を図った。また、VASの入力ができるような設定も行った。 一方、昨年度に記録した被験者23名分のデータについて、顎関節症の4つの主要症状の平均的な日内変動パタンを検索したところ、自発痛、運動痛、開口障害では朝、昼、夕方をピークとする3峰性の変動パタンを示し、関節雑音には日内変動を認めなかった。一方、ストレスのVASは昼間に幅広いピークをもつ1峰性のカマボコ型の変動パタンを示し、顎関節症の臨床症状と日内変動パタンを異にした。この結果は、顎関節症症状の変動がストレス以外の多数の要因によっても生じていることを示唆しており、ストレスと顎関節症の因果関係を明確にするためには、個々の被験者の変動について詳細に解析する必要性が示された。
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