2003 Fiscal Year Annual Research Report
高度吸収顎堤再生のための注入可能な間葉系幹細胞/担体複合体の開発
Project/Area Number |
15791126
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00294570)
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Keywords | 高度吸収顎堤 / 間葉系幹細胞 / 骨再生 / 再生医療 / 担体 / 細胞移植 / 骨分化 |
Research Abstract |
骨分化能を持つ細胞を探索するために、口腔領域から歯根膜、歯肉、骨髄、骨の各細胞を採取し検討した。骨からの細胞はインプラント埋入時にドリルに付着した骨片をコラゲナーゼ処理して培養を続けることで骨由来細胞のコロニーを得た。これらの細胞を骨誘導倍地にて培養した結果、最終的に骨分化能を持つものは骨髄と骨からの細胞であった。しかし骨からの細胞は非常に量が少なく、歯槽骨骨髄からのほうが大量に細胞を得ることが出来た。 次に担体の種類の選択として、ハイドロキシアパタイト、βTCP、チタンそしてPLGAの上に間葉系幹細胞を播種し接着状態を検討した。その結果、この4種のいずれの担体上にも幹細胞は付着・伸展した。その後の増殖能を検討したところ、表面の滑沢なハイドロキシアパタイトやチタン上では細胞は順調に増殖したが、表面性状の粗いPLGA上での細胞増殖率は低かった。 比較的注入が容易で生体吸収性の材料は顆粒状のβTCPであったので、次にこれら顆粒状担体にも間葉系幹細胞が付着しうるかを検討した。超低接着のプレート上に担体を播種し、この上に間葉系幹細胞を1x10^5〜150x10^5/40mg担体の割合で培地とともに添加した。90分後、非付着系細胞を洗浄除去し、核染色剤にて付着した細胞を蛍光染色し、落射型蛍光顕微鏡で付着状態を観察した。その結果、50x10^5/40mg担体以上の細胞ではほぼ付着状態はプラトーに達していた。さらに立体的な細胞付着状態を観察するために、共焦点レーザー顕微鏡にて細胞/担体の断層撮影を行い、3D画像を構築した。その結果、幹細胞は担体の上面から側面にかけて付着していたが、底面にはほとんど付着していなかった。したがって、担体全面に幹細胞を付着させるためには20分おきに担体と細胞を攪拌して、非付着面にも均質に細胞を付着させる必要があることが示された。
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