2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15791146
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
青木 伸一郎 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (60312047)
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Keywords | 脳波 / 事象関連電位 / 心理テスト / P300 / 咀嚼機能改善 |
Research Abstract |
目的: 咀嚼と脳との関係について多くの研究報告が行われているが脳機能についての報告は少ない.そこで異なる咬合圧グループを比較し検討することにより認知情報処理過程の客観的な評価を行い,咀嚼能力と脳機能との関係を明らかにすることを目的とした. 方法: 咀嚼能力の指標の一つである咬合圧を基準に被験者を2つのグループに分けた.oddball課題に準じ,Rare刺激を円,Frequent刺激を三角,四角とし,各図形の鑑別を行わせた際のP300潜時,P300振幅,RT, RTSDを記録した。またP300潜時,P300振幅,RT, RTSD,咬合圧,年齢を変数としてグループごとに主成分分析を行い情報の総合化を行い,グループごとの認知情報処理過程の様相について検討を行った. 結果: 1.高咬合圧群,低咬合圧群における比較より,P300潜時(Cz)において有意な差を認めた. 2.両咬合圧群におけるステージごとの主成分分析による検討より高咬合圧群は累積寄与率81.1%で第1主成分から第4主成分に総合化する事ができ,低咬合圧群は累積寄与率82.7%で第1主成分から第4主成分に総合化する事ができた. 3.高咬合圧群,低咬合圧群における比較より,高咬合圧群の第4主成分と低咬合圧群の第3,4主成分に抽出傾向の違いが認められた. 結論: 高咬合圧群と低咬合圧群においてERPの出現傾向の違いや主成分分析における主成分の抽出傾向に違いを認めたことから,咀嚼能力の違いが認知情報処理過程に影響を与える可能性が示唆された.
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