2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体活性処理したチタンへの破骨細胞の接着と骨改造(in vitro)
Project/Area Number |
15791154
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (20228430)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 骨髄細胞 / 破骨細胞 / アクチンリング / カルシトニンレセプターmRNA / 人工歯根 / 細胞接着関連遺伝子 / RT-PCR法 |
Research Abstract |
ハイドロキシアパタイト(HAP)をコートしたチタン上において,骨改造現象に関与する骨髄細胞,破骨細胞の挙動を分子生物学的ならびに超微構造的に調べ,長期に安定した人工歯根を得るための最適な表面改質に関する基礎資料を得ることを目的とする. 1.平成16年度の研究計画についての点検評価 1)HAP薄膜の形成 チタン材表面にHAP薄膜を形成する手法としてエキシマレーザーアブレージョン法を用い,500,2000,5000Åの膜厚を作製して380℃,60分でアニーリングした結果,全ての膜厚で結晶化していることをX線回折で確認できたが,500Åでは2000,5000Åに比べて結晶化度が低かった.一方で,SEM観察では全ての膜厚で薄膜が均一に形成されていることが明らかとなった. 2)HAP薄膜上での破骨細胞の培養 マウス骨髄細胞と骨芽細胞のコラーゲンゲルを用いた共存培養系で破骨細胞を作製した.チタン板上およびHAP薄膜上で培養し,数種類のインテグリンmRNAの発現をリアルタイムPCR法を用いて解析したところ,HAP薄膜の有無で有意な差は認められなかった.また培養前後で両表面をSEM観察したが,特記すべき変化は認められなかった. 2.総括 チタン板上で形成されたHAP薄膜上で,マウス骨髄細胞が破骨細胞分化因子によってアクチンリングの形成おまびカルシトニンレセプターmRNAの発現量が有意に高かったことを平成15年度計画で明らかにし,HAPでコートドした人工歯根周囲では骨改造現象が盛んであることを考察した.さらに,本年度計画の結果から,成熟した破骨細胞はHAP薄膜を形成したチタン表面に影響を与えないことが明らかとなった.以上の結果から,エキシマレーザーアブレージョン法を用いたHAP薄膜は長期に安定した入工歯根を得るための表面改質の一つの方法であり得ることが示唆された.
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Research Products
(1 results)