2004 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン膜上に構築した培養粘膜上皮シートの粘膜欠損部位への移植に関する研究
Project/Area Number |
15791160
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森山 孝 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30345293)
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Keywords | 粘膜上皮角化細胞 / コラーゲンシート / 組織工学 / 細胞培養 / 粘膜欠損 |
Research Abstract |
口腔粘膜欠損補填材料としての培養粘膜シートの作成に関する基礎実験を行った。口腔粘膜欠損として本研究ではビーグル犬の口蓋粘膜欠損モデルを作成した。まず。粘膜上皮角化細胞の培養条件の決定を行った。ビーグル犬の上皮角化細胞は採取した粘膜片をdispase処理し上皮層を分離採取し、その上皮層をtrypsin処理することにより単離した。単離した上皮角化細胞をコラーゲンコートされた細胞培養用ディッシュにて培養を行ったが、初代培養は反復して成功するものの継代培養は困難であった。そのため、実験には初代培養の上皮角化細胞を供した。ビーグル犬の口腔内用より粘膜片(5×5mm)を採取し、前述したように上皮角化細胞を単離し、type Iコラーゲンシート状に播種した。細胞濃度は概ね1×10^5/cm2となるようにし、ヒト角化細胞培養用培地(血清無添加)にて培養を行った。培養開始後約1週間でsubconfluentとなった。ビーグル犬の口蓋両側にそれぞれ1×1cmの口蓋粘膜欠損(骨膜上)を作成した。欠損に角化細胞を播種した面が触れるように先に培養を行った培養粘膜シートを貼付し、周囲をナイロン糸にて縫合固定し、ワセリンガーゼにて圧迫した。片側に培養粘膜シート移植を行い、対照として反対側にはコラーゲンシートのみを貼付した。一週間後に圧迫を除去し、創の経過を観察した。移植後2週間で実験群、対照群ともに創収縮が観察されたが、術後4週では実験群より対照群の方が創収縮の程度が大きかった。また、術後4週において実験群では良好な角化層を有する上皮が観察されたが、移植した培養粘膜シートが生着したものかについては今後新たな実験系にて判断する予定である。
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