2003 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群の発症機序の解明および新しい診断システム・治療法の開発
Project/Area Number |
15791172
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 匡理 九州大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30346803)
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Keywords | シェーグレン症候群 / T細胞 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
本実験の試料提供に対して同意を得られたシェーグレン症候群(SS)患者11名より、口唇腺生検組織、末梢血の採取を行なった。また、健常人10名から末梢血を実験試料として採取した。 T細胞レセプター(TCR)遺伝子の定量的検査システムの開発を目的に、まず健常人の末梢血単核球より、RNAを抽出し、TCR遺伝子をPCR法とサザンプロットを施行した。その後、われわれがHTLV-I陽性SS患者から得た病変局所で増殖しているT細胞のTCR Vβ7遺伝子CDR3領域の塩基配列(QDXG:Xは不特定のアミノ酸)に相補的なプローブを用いてハイブリダイゼーションを行なった。その結果、1名で同塩基配列を有する特有のバンドが検出された。現在、リアルタイムPCR法を用いてTCR Vβ7遺伝子の増幅を行い、そのPCR産物に対してQDXG配列に特異的なハイブリダイゼーションプローブを作成し、QDXG配列を有するTCR遺伝子の定量化を行なっている。また、SS患者の末梢血単核球を用いて、QDXG配列を有するTCR遺伝子の定量化を行い、健常人における結果と比較検討する予定である。さらに、同塩基配列と疾患発症の有無、程度、進行度との相関も分析していく予定である。 また、上記実験に併行して、同意の得られたSS患者5名の口唇腺組織よりT細胞の培養を試みているが、まだT細胞の培養が成功していない状態である。現在、他のSS患者の症例にて培養条件を変更し、再度T細胞の培養を試みている最中である。
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