2004 Fiscal Year Annual Research Report
周術期における呼吸器感染予防対策マニュアル作成のための起炎微生物の動態検索
Project/Area Number |
15791187
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
西條 みのり (奥田 みのり) 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10349532)
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Keywords | 呼吸器感染起炎菌 / ventilator associated pneumonia / 口腔衛生処置 |
Research Abstract |
方法:気管挿管麻酔下で口腔・顔面手術予定の患者32例をロ腔内洗浄群(n=16)、口腔内非洗浄群(n=16)に無作為に割り付け、PCR(polymerase chain reaction)法および培養法によって病原微生物を検出した。口腔内洗浄群では術前に、電動歯ブラシ装置により自動的にポピドンヨード液を供給しながら、歯磨き、歯周組織・頬粘膜・舌のスクラブを行った。また、術後は1日2回、ポピドンヨード液によるすすぎ洗浄を行った。なお、手術後、32例全例にセファゾリン(3g/日)を5日間投与した。 結果:まず、口腔内洗浄前32例のうがい標本から病原微生物を検出した。PCR法では肺炎球菌が87.5%,インフルエンザ菌が68.8%,緑膿菌が53.3%,Porphyromonas gigivalisが40.6%で検出された。一方、培養法では黄色ブドウ球菌が34.4%,MRSAが9.4%,表皮ブドウ球菌が56.3%,MRSEが15.6%で検出された。 手術前後の病原微生物の変動を測定した結果、口腔内洗浄群では、PCR法による検討で、肺炎球菌、インフルエンザ菌の有意な減少が確認された。また、培養法による検討では、黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌の有意な減少が認められた。一方口腔非洗浄群では、PCR法による検討で、肺炎球菌、インフルエンザ菌の減少は認めず、また、培養法では表皮ブドウ球菌の減少は認めたものの、緑膿菌やカンジダの検出率はむしろ増加した。 考察:今回、気管挿管麻酔例に対して、ポピドンヨード液を用いて機械的および化学的にロ腔衛生処置を行ったところ,呼吸器感染症の主要原因微生物が減少することが明らかになった。
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Research Products
(2 results)