2003 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺癌の浸潤・転移メカニズムにおけるerbAスーパーファミリーの役割とその抑制
Project/Area Number |
15791199
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
前田 顕之 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (70333242)
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / 唾液腺癌 / EGF / EGFR / Tamoxifen |
Research Abstract |
唾液腺癌は組織学的分化度が高く、放射線感受性がないかあるいは低い。なかでも腺様嚢胞癌、唾液腺管癌は局所浸潤能が極めて高く、さらに原発巣が制御されているにもかかわらず遠隔転移をきたしやすい。そこで核内がん遺伝子蛋白質と考えられるレセプターホルモン複合体がどのような発現様式を呈するか、また癌細胞の浸潤能や転移能など悪性度の指標となり得るか、さらには細胞周期チェックポイントにおいて重要な役割を演じている蛋白との関連性を検索・解析し、唾液腺癌細胞の特異性を明らかにしたい。 現在、ヒト腺様嚢胞癌細胞株を樹立させ、継代中である。一方で、唾液腺腫瘍のパラフィン包埋組織を用いてerbAスーパーファミリーであるエストロゲンのレセプター発現を免疫染色により検索を行った。腺様嚢胞癌、唾液腺管癌、粘表皮癌、多形性腺腫におけるエストロゲンレセプターの発現に差異を認めた。また腫瘍周囲に存在するリンパ球に発現を認め、興味深い結果が得られた。今後はさらにプロゲステロンを検索し、増殖能や癌遺伝子(c-myc、c-junなど)および細胞周期チェックポイントに作用する因子の局在と関連性を検討していく。さらにヒト腺様嚢胞癌細胞株を4週齢の雌BALB/cヌードマウスの背部に皮下移植を行い定期的に観察する。生着率および腫瘍増殖曲線を算出し、屠殺後、肺、肝臓、脾臓などへの転移の有無を検索するとともに、erbAスーパーファミリーとレセプターの発現を免疫組織化学的染色法、In situ hybridization法およびIn situ PCRを用いて検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A Maeda, T Shimoda, S Ozeki, T Honda: "Salivary Duct Carcinoma of the Minor Salivary Glands"Asian J Oral Maxillofac Surg. 16・1. 51-55 (2004)