2003 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期からのキシリトール摂取が齲蝕原生菌の母子伝播および齲蝕発症に及ぼす影響
Project/Area Number |
15791208
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
仲井 雪絵 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70284073)
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Keywords | 齲蝕原性細菌 / 母子伝播 / キシリトール / 齲蝕活性試験 / 齲蝕 |
Research Abstract |
小児齲蝕の発現機序の始まりは、齲蝕原性菌であるmutans streptococci (MS)が口腔内へ感染する過程である。Axelsson (1988)によると、その母子伝播予防のために妊娠時から母親の口腔内状態を改善することは"primary-primary prevention"と呼ばれ、現在の小児齲蝕予防の最先端ストラテジーである。本研究の目的は、妊娠期からのキシリトール摂取がMSの母子伝播と子の齲蝕発症に及ぼす影響について検討し、primary-primary preventionの一方法としてキシリトールが有効であることを明確にすることである。 平成15年度は、産婦人科(三宅医院)において、妊娠3・4ヵ月目の妊婦のうち齲蝕活性試験(Dentocult SMとカリオスタット)によってスクリーニングされたハイリスク者をキシリトール(Xy1)群と対照群の2群に無作為割付した。それらの2群は、妊娠6カ月目から3カ月毎に口腔内検診、齲蝕活性試験(Dentocult SMとカリオスタット)、口腔衛生指導および食餌指導を実施した。さらにXy1群は、妊娠6カ月目から出産後6カ月までの11カ月間、対象者は一日3-4回毎日キシリトール配合チューイングガムを摂取する。対照群は、同期間ブラッシング指導のみとする。2群とも、Dentocult SMにより唾液中のSM数の変化を、またカリオスタットにより歯垢構成細菌の酸産生能の変化を追跡している。子に対しては、出生後3カ月目から齲蝕活性試験を実施する予定であるが、本年度内にはまだ子の対象者を得るにはいたっていない(来年度になると対象者が出生した子が3カ月目となり、対象者に加わる予定である)。現時点で152名の妊婦に齲蝕活性試験を実施しており、83名のハイリスク者を研究対象候補者として抽出した。そのうち44名が2群に無作為割付され、介入研究を継続中である。また、新しい妊婦に対しスクリーニングは継続中であり、研究対象者候補者は増加中であるため、介入研究対象者も随時増加している。
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