2003 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔機能障害患者に対する健康増進のためのオーラルリハビリテーション
Project/Area Number |
15791212
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上田 宏 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20304446)
|
Keywords | 顎機能障害患者 / 咀嚼機能データ / 咬合力 / 咬合接触面積 / 咀嚼筋筋電図 / 下顎運動 / 非対称性指数 / リハビリテーション |
Research Abstract |
1.顎口腔機能障害を認めない健常者における咀嚼機能データの記録・分析について 現在、男性14名、女性13名の計27名(平均年歳24.5歳)の咀嚼機能データの記録、分析を行った。被験者全てから検査に対するインフォームドコンセントを得ている。評価項目は咬合接触面積、咬合力、咀嚼筋筋電図、下顎運動軌跡とした。咬合接触面積の平均値は男性が約28平方ミリメートル、女性が約22平方ミリメートルであった。咬合力の平均値は男性が約1200N、女性約800Nであった。最大咬みしめ時の筋活動量の平均値は、男性では側頭筋が1000マイクロボルト・秒、咬筋が1500マイクロボルト・秒であった。女性では、側頭筋が900マイクロボルト・秒、咬筋が1100マイクロボルト・秒であった。さらに被験者数を増やしていく予定で、これらを正常データとして、蓄積する。 2.顎口腔機能障害患者における咀嚼機能データの記録・分析について 現在、男性12名、女性24名の計36名(平均年歳20.0歳)の咀嚼機能データの記録、分析を行った。被験者全てから検査に対するインフォームドコンセントを得ている。評価項目は咬合接触面積、咬合力、咀嚼筋筋電図、下顎運動軌跡とした。特に左右の機能差を判定するために、非対称性指数(AI : Asymmetry Index)を用いて評価を加えた。結果、咬合力、咬合接触面積ともに、正常データより低い値を示したが、咬合治療後には増大した。また左右差を表すAIは正常データと比べて大きな値を示していたが、治療後には減少した。咀嚼筋活動に関しては有意な左右差は認められなかった。また治療前後では増大したものの、正常データと比較すると有意に小さな値を示したため、今後長期に渡る観察と早急なリハビリテーションプログラムの作成が望まれる。
|